受刑者にも高等教育を!

お盆休みも今日で終わりの方も多いのではないでしょうか?そんな今日の新聞の国際ニュースを見ていたら、気になるニュースが目に飛び込んできました。

アメリカ・ニューヨーク州のフィッシュキル刑務所では、受刑者が大学での学位取得が可能なのだというのです。受刑者向け大学教育プログラム「バード・プリズン・イニシアチブ」(BPI、本部・ニューヨーク)で 学位取得を目指している受刑者が、社会復帰後を見据えて日々学んでいるといいます。

アメリカでは受刑者に対して、政府による高等教育支援は原則禁止されているそうですが、高い再犯率を防止する方法として改めて教育が見直されているのだとか。フィッシュキル刑務所ではこのシステムの導入で、学位取得者 350 人の再収監率は 2%と他の刑務所の40%を大きく下回り、改めて教育の重要性を実証した結果となりました。

そういえば、新興国でテロリストになる人の多くが、まともな教育を受けていない人だという記事を読みました。教育を受けていないので、大人になっても仕事がない、そして、犯罪に手を染めるか、過激な思想に感化されテロリストになるか、教育を受けない悲劇が、そういう立場の人を窮地に追い込んでいるようです。

日本でも現在刑務所などの施設が足りないという話を聞くようになりました。特に犯罪の低年齢化に伴い、少年犯罪の急増で財政問題も含めて問題視されるようになってきました。私は個人的に、犯罪の低年齢化は「ゆとり教育」が、なんらかの一因になっているのではないかと考えています。

現在、日本の刑務所では受刑者に軽作業などを行わせながら勤労精神を養成したり、矯正教育を行っています。でも日本でも学位をとらせたり、プログラミング教育を行うなど、再収監率の問題や財政問題などの面からも方向転換をした方がよさそうですね。

我々日本人は昔から教育の重要性を認識していました。江戸時代の日本の識字率(読み書きが出来る人の割合)は世界一、その上世界が驚いたのは、男女問わず識字率が高いことでした。当時は寺子屋の普及とともに、子供に「読み」「書き」「そろばん」は当りまえに受けさせる社会でした。そして当時の大都会の「江戸」は、犯罪も少なかったようです。

教育が社会を変えるといって活動するNPOや個人の方なども日本でも増えています。また、芸能人でも刑務所の慰問をおこなっている方がいらっしゃるようです。

明るい社会、住みよい社会は、箱ものを作るだけでなく、人間教育から始まることを教えられたアメリカのニュースでした。