昨日に続き、日本のスポーツビジネスについての考察です。
今は、リオ五輪閉幕したばかりで、次の東京五輪に向け期待が高まっていますが、ついこの間までは、多くの識者の意見も、マスメディアの意見も大半は、「国民の税金をムダに使うな」みたいな話に終始していました。
でも、2年前の熱狂のときに多くの国民が期待したのは何でしょう?20年以上にわたりGDPがほぼ横ばいを続けている日本経済を何とか右肩上がりにできないか、成長軌道に乗せられないかという期待を抱いた人が多いはずです。
すでに「50年前のオリンピックの時とは時代が違うのだ、人口減少社会、少子高齢化社会において、経済を成長させるなんて」という人が多くいます。人口が増えることを前提とした社会つくりと、人口減少が続く社会つくりでは、根本的に発想が変わります。
だからこそ、まったく違った発想が必要なのではないでしょうか?人口が減るなら世界中から人が集まる社会をつくればいいのではないでしょうか。
私は基本的に、むやみに移民を増やすことには反対です。しかし、高度な人材は別です。アメリカがなぜ、成長し続けられるかといえば、世界中から人材を集めているからです。
今回のスポーツの話しで言えば、ヨーロッパのサッカーも同じです。スペインにしろ、イングランドにしろ、イタリアにしろ、ヨーロッパのサッカークラブは、高額の報酬を払って人材をブラジル、アルゼンチンなどの南アメリカやアフリカから集めています。
ですから、ここで言うまったく違う発想とは、このことを指します。世界中のアスリートが、東京で活躍したい、日本でプレーしたいという環境をどうつくるかを考えてほしいのです。
そして、そのひとつのきっかけが東京五輪のメインスタジアムの、新国立競技場になるのではないかと期待しています。