9月になっても暑い日が続いていますが、コンビニ各社では早くも「おでん」商戦が過熱しているようです。日曜版の新聞の特集記事からです。
先月のお盆を過ぎたあたりから、コンビニのレジ周りにお目見えするようになった「おでん」ですが、今シーズンもコンビニ各社は「おでん」による集客を図るために独自性を打ち出すことに余念がないようです。
期間限定の均一セールはもはや当たり前ですが、今年は特に、「だし・つゆ」を地域によって変えることで「地域密着」と「こだわり」を訴求してているようです。
まず、業界最大手のセブン-イレブンは全国を8つの地域に分け、地域性のある「だし」を活かした味わいに仕上げています。たとえば、関東では「かつお節・昆布・宗田かつお節」のだしとなっていますが、関西・北陸では「昆布・牛・鶏」のだしとなっています。
ファミリーマートは7つの地域に分け、地域ごとに馴染みのある味わいに仕上げています。たとえば、北海道・東北では「かつお・昆布をベースに、煮干しだし・貝の旨みが含まれた濃厚なつゆ」ですが、中国・四国では「煮干しだしの味わいと丸鶏のコクと旨みが効いたつゆ」です。
ローソンは9つの地域に分け、各地域の嗜好に合わせたつゆを用意しています。たとえば、東海では「むろあじ節」ですが、沖縄では「豚足のだし」です。
コンビニ各社のおでんに見られる「地域の特色を生かす」ことは今の時代のトレンドとなっているようです。これは「おでん」だけではありません。
キリンビールは47都道府県ごとに味の違いや個性を楽しめる「47都道府県の一番搾り」を販売しています。5月、6月発売分の受注が年間販売額予定の2倍になるなど好調に推移しているといいます。
日本マクドナルドは国内の地域名産食材を使った期間限定の商品が業績回復に貢献しました。2月には国産はちみつと瀬戸内レモンの果汁を使用した「マックシェイクはちみつレモン」、3月には北海道ミルクを使用した「北海道ミルクパイ」、5月には愛媛県の“甘夏”を使用した「マックシェイク甘夏みかん」、6月には宮崎県の「日向夏(ひゅうがなつ)」を使用した「マックフルーリー日向夏チーズケーキ」を販売しています。
今の時代、消費者の嗜好は多様化しています。また、東京一極集中を是正し「地方創生」を掲げるように、地方・地域を志向する流れが加速しています。今後は、食品業界に限らず地域の特色を生かしていくことがビジネスのカギとなりそうです。