「アベノミクス」から「ココロノミクス」に変えてみては?

先日の雑誌に掲載されていた興味深い記事がありましたので、紹介いたします。

「今の日本企業は、中国に生産拠点を移して、モノづくりへの愛情を失っている。技術者出身の経営者も少なくなって、コストのことばかり考えている。経済は、お金だけが全てじゃないんですよ。日本のものづくりが世界一になったのは、ラグビーのような技術者たちの『ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン』の精神があったから。モノづくりは『魂』ですよ。今の日本には、心の経済が足りない。情熱、元気、やりがい。私は、「アベノミクス」を『ココロノミクス』に変えたいと思っています。」

実は、こう話をするのは、インド人起業家のパンカジ・クマール・ガルグさんという方です。パンカジさんは、日本のものづくりに憧れて1988年に神戸製鋼所のエンジニアとして日本で活躍し、その後インテルなどを経て、起業したそうです。

そして無電源でも最長160時間、任意の温度を保つ温度記憶保冷剤「アイスバッテリー」を開発し、医薬品や生鮮食品などの定温物流に革命を起こす「ITE(アイ・ティー・イー)」という会社を経営されています。

子供の頃、兄を亡くしたというパンカジさん。当時のインドは電気などのインフラ事情が悪く、結局ワクチンが運べず、それが原因でなくなったそうです。その経験が、彼の起業の大きな志になっているようです。

インテル時代に、無電源で世界中どこへでも運んでいけ、そしてCO2も排出しない冷却技術に注目したとか。そして製品化したのが、アイスバッテリーです。そして、何より素晴らしいのは、世界に展開させるため「メイド・イン・ジャパン」にこだわっているところです。

そして、更に驚いたことに、このITEの顧問は、伏見工業高校や神戸製鋼でラグビー部の監督を務めた山口良治氏だというのです。言わずと知れた「スクールウォーズ」の主人公の泣き虫先生です。

山口氏から神戸製鋼時代に『ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン』の精神を教わって、魂の経営を続けているのだといいます。

日本人以上の日本人魂、大和魂を持ったインド人経営者です。我々日本人が忘れかけていた「モノづくり」の原点を教えられたような気がします。

「アベノミクス」よりよっぽど「ココロノミクス」の方が、いい響きだと思いませんか。