右利きと左利きについて①

先日、テレビのインタビューで、リオデジャネイロ・オリンピックで活躍した卓球の水谷準選手が『卓球は左利きが有利だから』と答えていました。よく聞いていると、親が小さいときに右利きだったのを左利きに変更させたそうですね。

そこで今日の話題は、「右利き」と「左利き」についてです。利き手は、いつ頃どのようにして決まるのでしょうか。また途中で矯正することは良いことなのでしょうか?

人類全体の約10%が左利きだといわれています。つまり、右利きが圧倒的に多いというわけです。では、成人で、左利きだという場合の基準は何でしょう。

利き手は、箸を持つ、鉛筆など筆記用具を持つ、ボールを投げるなど、繊細さを要求される動作をどちらの手で行うかということによって判断されます。

しかし、なかにはすべてを左手で行うのではなく、ボールを投げるのは左手だけれども、箸を持ったり、文字を書くのは、親が矯正して右手に変えているという人もいますね。一般的には、箸の持つ手や鉛筆を持つ手は、右手に矯正されていることが多いようです。しかしこのような場合でも、矯正されていないものがその人の利き手ということになりますので、ボール投げを行う左手が利き手、ということになります。

では、なぜ左利きになるのか。その理由として諸説ありますが、あまりはっきりとは分かっていないようです。

例えば、胎児のうちに決まっているという説。皆さんもどこかで、胎内で胎児が指をしゃぶっている写真をみたことがあるでしょう。あれは、右指が多いので、「利き手は胎児のうちに決まっている」という説もあります。

また、母体の胎内での成長過程や出産時に左脳を圧迫する事態が起こっており、その左脳を補おうとして右脳が活発になって左利きになると考えられています。

この他にも、利き手が決まる3~4歳ころまでにどちらの手を多く使ったかによって決まるという環境説などがあります。

このように左利きになる理由には、遺伝や環境説など、諸説ありますが、どれが有力とは言い切れません。一卵性双生児でも利き手がそれぞれ異なる場合もあるのです。

~続く。