「おでん」の人気の秘密①

10月に入り、めっきり秋めいてきた気仙沼界隈ですが、これから冬にかけてのメニューで、日本人の好きな料理の代表と言えるのが「鍋」ですね。そして、その中でも特別な位置づけにあるのが「おでん」だと思います。

東西南北、日本各地でご当地の味があるのもこの「おでん」です。味付けや、具材など全国には様々な「おでん」があるといわれております。

「おでん」は、一説には「御田」と書くともいわれています。煮物料理の一種で、鍋料理にも分類されています。

元々は「田楽」から発生した食べ物で、種を串にさした「焼き田楽」と、種を茹でた「煮込み田楽」とに分かれていたそうです。それが、江戸時代になり「煮込み田楽」=「おでん」となったとか。

基本的な調理方法は、種を前処理して、下茹でしたり、油抜きをしたりした上で、お好みの味付けをした「つゆ」に入れて調理する、とてもシンプルな料理です。

「素材」と「つゆ」の組み合わせがベースとなるシンプルな料理のためか、日本全国で、この「おでん」と呼ばれる食べ物の食味は千差万別といわれています。

一説によりますと、住民一人当たり、おでん屋さんが最も多い都道府県は「石川県」といわれており、地元では「金沢おでん」として有名なんだとのこと。北陸新幹線が開通する前は、地元の人も単に「おでん」と呼んでいたそうですが、新幹線開通後は「金沢おでん」と呼ぶようになり、今や「金沢」を代表するご当地グルメになっているそうです。

しかし、「金沢おでん」には、明確な定義はないようですが、特徴を挙げますと、塩ベースの出汁の「おでん」であることと、他の地域では見られないおでん種が沢山あることです。例えば、小さなかにの殻に、かにの身やカニミソを詰めて蒸した「蟹面」や「車麩」、「肉いなり」「バイ貝」など珍しい具材がいっぱいのようです。

~続く。