「おでん」の人気の秘密②

昨日に引き続き、「おでん」のお話です。

「おでん」の秘密はなんといっても味が滲みることではないでしょうか。そして、今日よりも明日、明日よりも明後日というように、一日経つごとに美味しくなっていくと言われています。

一度、火を加えて煮込み、その後一旦冷ましてその後再び加熱すると、具材に味がしみ込むといわれています。この調理方法を「真空含浸」と言うそうです。

商工業の世界では、物体に空いている穴の中に何かを充填したいときに使うそうです。物体を容器の中に入れて真空にし、その後容器に充填物を注入すると、真空になっている穴の中に充填物が吸い込まれていくという方法です。

食品の細胞には多くの水分が含まれています。100℃で煮込むと具材の中の水分が蒸発して組織の中に水蒸気が発生します。この状態を維持し続けると、水蒸気が外に出ていくだけですが、そこで一度火を止めると水蒸気が水に戻ります。この時に体積が小さくなり真空状態が生まれ、そこに煮汁が自然に吸い込まれていくという仕組みです。

この調理方法は「おでん」に限らず色々な料理で応用されているようです。

~続く。