TPPをはじめとする自由貿易協定とは、表向きの目的は、関税などを撤廃して、消費者利益に繋がるみたいになっています。しかし、貿易自由化の歴史はある意味、アメリカが全勝を続け、日本はほぼ全敗を続けている歴史なのです。
だから農業が関税が撤廃されますと、今まで聖域とされてきた「米」などは間違いなく一部のブランド米を除く多くの農家は、廃業を迫られることになります。そして、食料自給率がさらに下がる危機にさらされることになるでしょう。
また、「米」の問題も重要ですが、TPPの中には、ビジネス上の日本独自のルールさえも撤廃される、またはアメリカ的ルールに合わさせられるということが起こるようです。
一つ例をあげますと、日本独自のルールとして、不動産業界の仲介ルールがあります。売り手と買い手を仲介するビジネスで、代表的なものといえば、不動産の売買仲介です。売り手、もしくは買い手のどちらかを担当した場合、「片手取引」といいます。
日本では、不動産業者の仲介手数料は、法律によって上限が「取引額の3%+6万円(消費税別)」と決まっています。上限とはいえ、これがほぼ業界の標準レートです。
たとえば、3,000万円の物件では(96万円)の手数料になります。これは「売り手」または「買い手」の、どちらか一方を相手にした場合「片手取引」です。
同じ業者が、両方の仲介者となって取引を成立させると、両者からの手数料(合計で192万円)を受け取ることができます。これを「両手取引」と呼んでいます。
日本では、不動産取引で、仲介業者の両手取引が認められていいます。ところが、それでは、買い手、売り手どちらかに偏った仲介をして、片方に不利益な取引を成立させてしまう懸念が指摘されています。
~続く。