TPPの目的は、単なる域内の自由貿易だけではありません。そこには、やはりアメリカの思惑が潜んでいるといわれています。まさに、アメリカ的ルールを環太平洋地域に張りめぐませることにあるといわれています。
自由の国であるアメリカのルールと違うところは、日本にもそのルールを適用するように多岐に渡って迫ってきます。これは過去を見ても、どんなときも押し切られてきましたし、今回もそうでしょう。ですから、あらゆるビジネスのルールがアメリカ的にルールに変わる可能性があります。
それはTPPに挙げられている項目だけに限りません。1980年代のバブル期、東京の土地だけで、アメリカ本土の土地が買えるといわれた時期があります。そしてバブル崩壊を起こし、強烈なダメージを日本に与えたのはアメリカだという専門家がいます。
その方の話がどれほど正しいかは解りませんが、実際に起こったことを良く検証してみると頷けるところも多々あるようです。
当時のアメリカは、日本の強烈な経済的追い上げにあい、農産物の牛肉、オレンジのほかに、自動車や半導体とさまざまな方面で市場開放を迫っていました。
その時、ひとつ大きなネックになっていたのが、日本で上昇しすぎた不動産価格です。こんな高い不動産価格ではいくら市場開放しても、ビジネス的に成功する見込みは少ないというのです。
そしてバブルが崩壊し、不動産価格が下がったタイミングを見計らって、金融ビッグバンなどが起きました。その後、金融業界、保険業界などでは一気に外資が進出してきてきたのはご存じの通りです。
ホテルやゴルフ場などもそうです。ホテルも、ゴルフ場もチェーンはほとんど今や外資です。要するに、こういったことがさまざま業界で起きる可能性があるのです。
特に、不動産仲介業などのように、日本独自ルールで動いている業界ほど狙われる可能性があります。具体的には、医療、介護などは大きく狙われている業界です。そして、ゼネコンなどもそうかもしれません。
~続く。