TPPで我々の生活がどう変わる⑥

TPPの中には公共工事の開放という項目もあります。

虎視眈々と狙っているのは、こういった話になると必ず出てくる世界最大のゼネコン、ベクレル社の存在です。同社は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本拠を置き、総合建設業を営む多国籍企業です。

石油コンビナートや、発電所、ダム、空港、港湾などの建設を請け負う世界最大級の建設会社です。かつては、フーバーダム、ロサンゼルスオリンピック競技場、香港国際空港、各種国立研究所などを手がけてきました。日本でも、羽田空港、関西空港、六ヶ所村再処理場などです。

なぜ、日本で仕事が受注できたかというと、ゼネコンの談合リークを仕掛けた張本人ともいわれ、かつては入る余地のなかった日本での大規模工事にベクテル社が割り込んできたのです。

これらをみても、TPP後、ベクレル社が日本の市場をより勢力を強めているのは確かです。大掛かりな公共工事などには必ず入ってくるでしょう。東京オリンピック、リニア中央新幹線と日本は大掛かりな工事がたくさんあります。

このように、政治的にあらゆる手段を使って、合法的に進出してくるグローバル企業に対抗していく方策を考えていく必要があります。

しかし、日本勢も指をくわえてばかりではありません。そこで、今注目されているのが、日本の大手ゼネコンのイノベーションです。

日本のゼネコンの都市開発には、これまでもいくつもイノベーションがありしたが、世の中のルールをひっくり返すほどのイノベーションがあったわけではありません。イノベーションには、それが現実化するまでには奇想天外は発想も大事なことです。

現在、日本の大手ゼネコンが取り組んでいるのが、「深海未来都市構想」「月太陽発電」「環境アイランド」「ピラミット型 空中立体都市構想」「インターセルシティ」「宇宙ホテル」「月面基地の建設」などなど、そして、これらを「完全自動化の3Dプリンター」で施工するというのです。

これまでは、日本の企業はイノベーションが苦手だといわれてきました。しかし、若い力を結集し、業界の常識を捨てるところから、イノベーションを考えてみるのも新しい社会の創造には必要なのかもしれません。

~終わり。