政府は、GDP600兆円を実現するために、女性の職場進出を促進するとことを目標にしています。
これに関しては、もちろん重要な施策には間違いがありませんが、これで経済成長するかどうかは多々議論のあるところです。しかし、政策の目玉に女性活用をしたことは大きな進歩ではあります。
もちろんこれは女性活用だけの話ではありません。子育て支援も、介護離職ゼロも男性も大きく関係しますし、もっと言えば働き方改革なくして実現されるものではないのです。その働き方改革とは、ズバリ「労働時間の削減」です。
現在スウェーデンでは1日6時間労働、週30時間労働にチャレンジしているそうです。スタートアップのITベンチャーや介護施設などで始まった取り組みは、最近では役所でも行われてきているとか。もちろん、給与はそのままです。そんなことしたら売上が下がるのではないかという心配をする向きもあるでしょう。ところが、実際には逆に生産性を大幅にアップさせているという事例もあります。
以下は2014年の労働時間の国際比較です。
・ドイツ 1388時間
・フランス 1489時間
・スウェーデン 1607時間
・アメリカ 1788時間
・日本 1735時間
特に、ドイツの労働時間の少なさは特筆されます。1388時間を50週で割ると、27.7時間とすでに30時間を割り込んでいます。それでいてドイツの経済はご存じのように好調です。
日本は以前は90年代前半までは2000時間を超えていました。その後、経済成長の鈍化により企業業績の悪化にも伴い、残業時間や休日出勤に抑制がかかったり非正規社員の増加などで、ずいぶん労働時間が減ってきました。
日本の場合、このように労働時間の短縮は「負」のイメージで語られることが多いのです。ところが、ドイツの場合は21世紀になってからの15年間で、労働時間を約5%下げ、一人当たりGDPを140%アップしています。ということは、時間当たり生産性を1.5倍に近くしているのです。
日本でも同様の発想を持てば、生産性革命が起きるはずですが、いかがでしょうか。