二極化

昨日は、地元スーパーの方々が丸光製麺・一関工場に工場見学にお越しになったことを書きましたが、その時の話の内容をもう少し書きます。

今、スーパーでは中価格帯の商品が売れないとおっしゃっていました。スーパーの陳列ケースを想像してみてください。恐らくどのスーパーでも、陳列ケースの一番下の目立つところに目玉商品が大量に陳列されていると思います。この商品は、このスーパーが一番売りたい商品です。そして2段目、3段目、4段目と上にいくにつれて、品ぞろえ程度の一日に1個売れかどうかの商品が置かれています。

我々メーカーとしましても、この一番下段に大量に陳列してほしくて、スーパー側と商談する訳ですが、そこは、すんなりとOKとはいかないのが現状です。スーパー側も大量に仕入れる訳ですから、それなりの価格を要求するのは当然のこと。ここで、メーカー側の営業マンの腕の見せ所となる訳です。注文は一つでも多く、価格は一円でも高くしたいのが営業の基本です。

しかし、一番下段に商品を陳列できるのはせいぜい1社か多くても2社、その他のメーカーは必然的に2段目、3段目と上の棚になっていく訳ですが、冒頭に書いたように、下段より上の棚の商品がこの頃、全く売れなくなってきたということです。そして、一番上の棚に置いてあるような、マニアック商品や、高額商品が数は多くないけれど、毎日コンスタントに売れるようになってきたというのです。今までは、賞味期限が近くなると値引きしても売れなかった商品が、定価で売れるようになるのは、スーパー側としてはうれしいことですよね。

このように、昨今スーパー業界では価格の二極化が進んでいる現状をきいたところ、今日のニュースでは、外食業界の二極化のことが報道されていました。大手牛丼チェーン各社は低価格に重点を置く一方、ハンバーガーチェーン各社は高価格帯商品の拡充に軸足を移しているというのです。  牛丼より安い豚丼を復活させたり、値引きセールやお買い得クーポンを発行したり、既に各社、価格競争に突入した様相です。一方対照的なのはハンバーガーチェーン業界です。中国工場の遺物混入事件で、大幅に業績を落とした、あの有名な大手ハンバーガーチェーンは4月から期間限定で販売している「高価格帯の限定商品」の投入が功を奏し、既存店の売上や来店客数がようやく回復基調になってきたようです。また、高級バーガーが売りの米国の新興チェーンも日本に次々に出店。日本は高級バーガー競争に突入したようです。

昨日、来社したスーパーの専務さん曰く「スーパーも安価な物を求めるニーズがある一方で、プチぜいたくの需要もあり、これから益々価格戦略は二極化が進むのではないか」と指摘していたのが印象的でした。