今日は、「日本の消費社会とシェアビジネス」という本を読んでの感想です。
昭和30年代後半から40年代にかけての高度経済成長期は、大量生産・大量消費の「第一の消費社会」時代と呼び、オイルショックを経て、モノ余りの時代からバブル期にかけては、より良いものを求めるブランド志向の「第二の消費社会」時代、そして、バブル崩壊後は、他人との差別化をはかる個性重視の「第三の消費社会」時代を経てきました。
ここまでが物の消費を中心にした社会です。そしてリーマンショックや、東日本大震災以降は特に、所有することが自己を表現することだった時代から個人が所有するということにこだわらなくなってきている「第四の消費社会」時代が到来しているといいます。
そして、消費行動だけではなく、ビジネスでも所有という概念にとらわれない形態が表れているようです。ある地域家電販売店が、一つの店舗を複数の経営者が共有する仕組みを導入しました。一つの店舗に複数の会社が在籍する、いわゆるビジネスのシェアリングです。
この家電量販店では、エアコンや冷蔵庫など、設置作業が必要な家電製品が売れ筋で、店舗に陳列した商品を持ち帰る客よりも、商品を自宅で受け取る客の方が圧倒的に多いとのこと。つまり、“電器屋さん”といっても店舗来店型のビジネスモデルではなく、訪問販売型のビジネスモデルなのです。結局、店舗を持っても、商品を展示、保管する場所になっており、運営経費の面からも店舗をシェアする方がお互いにメリットがあるのです。このような取り組みは、一つの店舗に一つの会社という常識を覆す、発想の転換だと思います。