TPPで我々の生活がどう変わる?②

日本の商慣行で、代表的に問題になっているのが、書籍などで行われている「再販制度」があります。

書籍の「再販制度(再販売価格維持制度)」とは、出版社が書籍・雑誌の定価を決定し、小売書店等で定価販売ができる制度です。独占禁止法は、再販売価格の拘束を禁止していますが、1953年の独占禁止法の改正により著作物再販制度が認められています。  この制度について、出版業界では全国の読者に多種多様な出版物を同一価格で提供していくために不可欠なものであり、また文字・活字文化の振興上、書籍・雑誌は基本的な文化資産であり、自国の文化水準を維持するために、重要な役割を果たしていると主張しています。

しかし、これは日本独自のルールです。TPPが入ってくると、こうしたルールがなくなる可能性は十分あります。というのも、かつてはフランス、ドイツ、韓国なども「再販制度」がありましたが、現在は撤廃したり、事実上撤廃状態になっています。

また日本でもかつては、医薬品や化粧品が「再販制度」の対象商品でしたが、現在は撤廃されています。その結果、小規模の薬局や化粧品店が潰れていったことは記憶に新しいところです。

TPPが入ってくると、日本でも書籍などの「再販制度」はなくなるといわれています。消費者にとっても利益のあることなので、一部の見方をすれば、それは健全な競争が生まれることになります。

しかし、小さな書店は間違いなく淘汰されるでしょう。大きな書店でも過酷な競争にさらされることになります。そして、アマゾンのシェアが著しく伸びるでしょう。

こうしたことが、独自の国内ルールがあった業界ほど、影響を受ける可能性があります。

~続く。