「躾」

いよいよ、今日から平成28年度のスタートです。このブログも綴り始めて一ヶ月が経ちましたが、毎日のことなので、少々「ネタ」探しに焦っています。やはり、引出しが多いほど、人間懐が広くて深いものです。一ヶ月位で音をあげているようでは、私もまだまだのようです。しかし、「最低一年は続ける」と決めたことです。これは、自分との約束です。

3月は、別れの季節でもあり、我々被災地の人間にとりましては、「3.11」の月でもあるので、どうしても私のブログもネガティブな印象の文面が多かったのではないでしょうか?しかし、今日から新年度です。気分一新、元気を出してスタートです。

今日は、全国の会社で「入社式」が行われていることでしょう。そして、来週になれば「入学式」の便りがあちらこちらから聞こえてきます。何を隠そう私の息子たちも中学校の門をたたくことになりました。

そこで、「新入社員」や「新入生」の為に「躾」について考えてみたいと思います。身が美しいと書いて“しつけ”と読みます。この漢字は中国にはなく、日本でつくられたそうです。躾とマナーはどちらも振る舞いに関するもので同じことのように思うかもしれませんが、マナーは躾の一部分といえるかもしれません。

親が家庭で教えるのは、一般常識ですが、これが社会人となると“社会的常識”というものが必要になってきます。アインシュタインは「常識とは、18歳までに刷り込まれた偏見の集大成である」と言いましたが、恐らく大抵の人は「みんなの間で当たり前のように思われていること」といった答えが返ってくるはずです。しかし、一人一人育ちも環境も違うように、世の中当たり前のことなどほとんどないのかもしれません。オーナー経営者の息子とサラリーマンの息子と公務員の息子と農家の息子とでは、それぞれ常識は違うと思います

私の場合ですが、子供のころ、毎年冬休みに入ると憂鬱になります。それは年末に近づくにつれて、家業でもある丸光の仕事が急激に忙しくなる時期で、親と一緒に食事が出来るのは、大晦日の紅白歌合戦が始まってからという状況でした。もちろんその前のクリスマスなどあるはずもなく、辛うじて母親が買ってくれたケーキとチキンを幼い妹と弟と三人で食べていたことを覚えています。年末はどこの家庭でもこんなものだと思っていましたが、公務員やサラリーマンの家庭では12月29日ころから年末年始の休みに入ることを知った時には、本当に羨ましかったことを今でも鮮明に覚えています。

そして、この常識は、10代、20代、30代と年代ごとにも違いがあります。また、出身地でも違います。東京生まれと、関西生まれ、また東北生まれでも常識は違うはずです。だからこそ、常識には違いがあることを踏まえ、相手の常識を理解して対応することが重要になってきます。この“社会的常識”は、有名大学を出て上場企業などに入社してくる20~25歳の若者は、20代の常識は持っていても50代、60代の常識は理解できていません。取引先の担当者が40代の場合、その年代の常識を理解していなければ、その立ち居振る舞いで相手を不快にさせかねないのです。それではいい仕事などできません。

本当に優秀な若い新入社員を採用し、時間をかけて社員教育をすれば会社の未来も明るいものとなるのでしょうが、弊社のような中小零細企業の場合は、つい即戦力を求めてしまいます。お金と時間の問題もありますが、会社を永続させていくには、社会人一年生の新卒者を採用し、一から「躾」を施していくのも、雇用問題、地元貢献、そして社内の活性化には、必要なことなのかもしれません。