既存勢力の抵抗が成長を阻む

今年のノーベル賞・医学、生理学賞が日本の大隅さんが受賞され、注目されている研究分野に細胞の遺伝子解析があります。

今では、2万円程度で唾液から家庭で遺伝子解析が行える時代になりました。昨年あたりから様々な企業がこの分野に参入しています。

例えば、DeNAなども参入を発表しましたし、ヤフーや、ジーンクエストなどが既に参入しています。

まだまだスタートアップ状態の小さなベンチャー企業も多いといいます。そして、どんどんIT系の企業を中心に参入が拡大してくると見られていました。

しかし、予想通りというか、当たり前というか、医学会が大きな抵抗を示しているといいます。既存勢力が新しい勢力を阻害するというこれまでの日本の構造です。誰がみても日本の企業のイノベーションを阻む最大の要因がここにあるのではないかと思えてきます。

時流的に見ても今後、遺伝子解析の分野は伸びると予想されます。しかし、医学会の抵抗で、厚生労働省と経済産業省でいろんな事業者認定制度などの枠組みを作るのでしょう。

そして、世界の市場の成長より日本の遺伝子解析分野の成長は遅くなるでしょう。そんな時、アメリカでグーグルが昨年買収した23アンドミーなどが、何らかの切り口で日本への参入を行うと予想されます。大きなトレンドは市場開放にあるわけなので、入ってくるのは間違いがないでしょう。日本がモタモタしている間に入ってくるという構造です。

ドローンやビットコインも同じでした。日本が世界をリードする可能性があるのに既存勢力の抵抗で、成長が阻まれているのです。

かつては「赤信号みんなでわたれば怖くない」みたいな暗黙の了解が、日本の企業を

強くしてきました。しかし、今は「みんな青信号になるまで待ちましょう」と言っているみたいです。信号のないところをどう走り続けるのか、そこに市場をつくる企業が業界をリードするのだと思います。