昨年までは、アベノミクス効果で「株価上昇」や「訪日外国人の増加」など、景気回復ムードのあった日本ですが、昨年の終わりごろから、景気が後退する予兆が多く見えてきていると昨今の新聞や雑誌は伝えています。もともと、地方ほどアベノミクスの恩恵を受けることは稀有で、我々、被災地の中小企業もなんとか人員不足や原料高などの問題を抱えながらも凌いでいるのが現状です。
不景気になると経営者というものは「給料カット」とか「人員を削減」とか、安直な方向にばかり考えが及んでしまいがちです。先日の小山会長の勉強会でお話しされていたことですが、同じ経費でも、「人件費」と「人件費外経費」は全く異なる経費なので、どんなに業績が落ち込んでも「人件費」は下げるなといいます。その代り「人件費外経費」はコピー用紙一枚、ボールペン一本に至るまで徹底的に無駄のないように切り詰めろと言い切りました。そして、切り詰めた経費は従業員に還元しなさいとおっしゃっていたのが印象的でした。さすが、上場会社のCEOです。言うことが違いますね。
目先業績に一喜一憂するのではなく、「年商を上げること」「最大利益をあげること」「会社を大きくすること」だけでなく、会社の本来の目的は「会社の命題は永続すること」を肝に銘じることが大切です。永きに渡り、その地域に会社があり続けること、地域から必要とされ続けること、地域の人財を雇用することが永続のカギであると思います。
そして、会社は永続ですが、経営者はどうでしょうか?経営者は事業承継や引退宣言を行わない限り、基本的に転職もなければ、進学もありません。しかし、人間の命は有限です。企業が永続する為に、限られた時間で経営者がすべきことは「進化を自らが取りにいく」ことしかありません。私自身、丸光製麺の経営者として指揮を執れるのもあとせいぜいあと10年ぐらいです。私自身が新しい環境を貪欲に仕入れることが、丸光の永続につながると私は信じたいです。明日、東京に出張してきますが、どんな新しい気づきがあるでしょうか。楽しみです。