桜前線が北上していますが、今日は一転して「花冷え」の一日でした。出勤途中の道すがら、思わず急ブレーキを踏んで、車を降りて撮ったのがこの画像です。なんと、気仙沼と一関の間の峠道では、雪が降ったようです。どうりで今朝は寒いと思いました。これでは桜前線も足踏み状態ですね。当地方でもこの週末は絶好のお花見日和になりそうですが、今日のような冷え込みではせっかくのお花見も風邪をひいてしまいそうです。やはり、暖かい日差しの中でのお花見がいいですよね。
桜の季節を迎えるといつも思い出すのが「さまざまの こと思ひ出す 桜かな」という松尾芭蕉の俳句です。この歌は、芭蕉が中年になり、江戸から故郷の伊賀上野(現在の三重県)へ帰った際に、旧藩主の下屋敷に招かれて数十年ぶりに花見をしたところ、辺り一面が昔のままで、花を見るや昔の色んな事を思い出し、感慨無量の気持ちを詠んだものとされます。
ちょうど今頃は会社も学校も新年度が本格的にスタートする時期でもあります。誰もが初めは一年生です。みなさんも、いい意味でも悪い意味でも様々な思い出を持っている季節ではないでしょうか。私も芭蕉のような句は読めませんが、桜の季節にはつい昔の出来事を思い出してしまいます。
そんなことを考えていましたら、取引先の資材会社の担当者が新入社員を連れて挨拶にきました。バリバリのリクルートスーツに、ストライプのネクタイ、そして、髪は七三にきっちりと分けられていてとても好青年です。しかし、先月までは、大学生だったということで、名刺の出し方もぎこちなく、また敬語の使い方も「?」と思うところが何度かありましたが、新卒者としてはまずまずの合格点といったところでしょうか。
この彼もこれからは社会人として、定年までは働き続けなければなりません。やはり、リクルートスーツに身を包んで初出勤した日のことを忘れずにこれからも頑張ってほしいと思います。そして、別れ際に、社会人の先輩として私の方から一つお願いをしました。今月、初めてのお給料をもらったら、ご両親に安物でいいから何かプレゼントをしてくださいとお願いしたのです。
彼にしてみれば、「余計なおせっかい」と思ったかもしれませんが、ここまで、立派に育て上げてくれた両親に対して、感謝の気持ちを忘れずに持ち続けてほしいとの想いから、つい口走ってしまいました。私もそろそろ「おせっかいオヤジ」の領域に差し掛かってきたのでしょうか?やはり「ピカピカの一年生」を見ると思わずエールを送りたくなるのが、桜が咲く今頃の時期でもあります。
新年度は、新たな気持ちで物事に取り組める時期でもありますので、私もリクルートスーツに身を包んで、満員電車に揺られながら通勤していたあの頃を思い出し、初心にかえって頑張っていきたいと思います。