衣に包まれて調理される「天ぷら」の秘密 ②

今日から6月です。雨の季節になりますが、つかの間の晴天も有効に活用したいものです。

昨日に引き続き、「天ぷら」の話を少々。「天ぷら」に使用する小麦粉は薄力粉を使用します。その理由はグルテン生成が少ない小麦粉を使用することにより、より美味しく、軽くて薄いサクサクの衣に仕上がるからです。

薄力粉を冷水で、軽く溶くことで、グルテンの少ないバッター液になります。ここで注意しなければならないのが、グルテンが多くなるとモチモチ感が出て、衣内部に水分を抱き込んで食材の美味しさを無くしてしまうのです。

小麦粉のバッター液をベースにした西洋料理の一つに「フリッター」があります。小麦粉の衣に牛乳や砂糖、香辛料などを混ぜ込んで衣として揚げます。衣も柔らかく、食材と衣のハーモニーで味わう料理といえるでしょう。そして、場合によってはベーキングパウダーなどで、膨らみを出し、香辛料で香りを付けたり、食材そのものの味より衣の味のバリエーションを楽しむようになっています。

どちらが美味しいかは好みによりますが、年々、油っこいものより、あっさりしたものに嗜好が移ってきているのを実感している今日この頃です。