立ち食いを考える①

日本の忙しいおとうさんの、お昼の味方といえば「立ち食いそば」があります。短時間で食事が済み、その上、お財布にもリーズナブルです。都会の駅のホームの片隅で、次の電車が来るまでのわずかな時間を利用し、「そば」をすするおとうさんの姿をよく目にしたものです。

そして、夜になると、今度は「赤ちょうちん」です。よく駅のガード下などにみられるいわゆる「立ち飲み」。ほろ酔い気分のお父さんが仕事や上司のグチを語り、暫しのストレス発散の憩いのスペースです。

そんな庶民の味方の「立ち食い」や「立ち飲み」ですが、今や超がつく高級フレンチや、料亭なみの和食を出す立ち食い店が都内には出店しているといいます。

「立ち食いレストラン」の最大のポイントは、高級料理を低価格で食べられることです。同じスペースでは、椅子席の2倍強のお客を迎え入れることができます。

座った状態では、お腹も座った状態なので、満腹感が感じにくいのですが、立った状態では、満腹感の信号がしっかりと脳に伝わり、平衡感覚のズレも早めに感じとれるので、悪酔いもしなくなると言います。

よって、お客の回転率も向上し、生産性が高くなるので、低価格での料理の提供が可能になるという仕組みなのです。

~続く。