組織はリーダーの力量以上には伸びない

今日も、小山会長の勉強会での話です。組織で仕事をする時は、リーダー(指導者)が死活的に重要になります。戦場を考えてみればそのことは明らかです。戦場に間抜けな兵隊がいたなら、弾に当たって死ぬだけです。しかし、司令官が無能なら部隊が全滅します。

会社でも、経営者が無能なら会社が倒産するでしょう。倒産した会社は従業員に賃金を支払うことができなくなるので、多少灰汁が強くても、企業がきちんと生き残れるよう導いてくれる経営者の方が、人柄はよくて従業員にも優しいが、能力が基準に達しておらず会社を潰してしまう経営者よりはましだということです。

リーダーシップと強引さは、まったく異なる概念です。部下の気持ちをつかみ、引っ張っていくことができなくては真のリーダーになれません。重要なのは部下の意見をきちんと聞くことですが、「言いたい放題」にさせてはいけないはず。上司が尋ねた質問についてだけ、尋ねられた範囲で部下に意見を言わせるようにすることが重要なのです。

部下の意見はあくまで参考として聴取するだけで、判断は自分で行うという態度を貫くことが大切です。部下に事実上の判断を委ねているという印象が広まると、部下はそういう上司を軽く見るようになります。部下から軽く見られるよりは、恐れられている方が、まだいいのではないでしょうか。

どの組織にも要領のいい人がいます。ただし、こういう人は上司に追従する傾向が強いもの。追従者に囲まれたリーダーで、長くそのポストにとどまることができた人はほとんどいません。「追従者はリーダーの敵」という認識をもつことが重要でしょう。追従が言えるのはコミュニケーション能力が高い証拠なので、こういう部下が率直に批判的意見を口にするようになる時、リーダーと部下の間に本物の信頼関係が構築されるのです。この信頼関係が、あなたのリーダーとしての地位を盤石にするはずです。

上司と部下の双方を持つ中間管理職の場合、自分の役割は部下の要素が7、上司の要素が3くらいの比重にするのがいいでしょう。組織は基本的に「上」の味方なので、部下を最大限に働かせて、その成果を「上」に提供することが中間管理職に求められる能力です。